駒ヶ岳は360度果てしない大展望、自然と気象あふれる箱根の名山!

駒ヶ岳(こまがたけ)は箱根の代表的な山。富士山や太平洋をはじめ、360度の大パノラマが広がりますさあ、仙石原から駒ヶ岳へ出かけましょう。

山伏峠から望む駒ヶ岳(2015年1月5日撮影)

【駒ヶ岳はまさに箱根の代表格】

駒ヶ岳は箱根のほぼ中心部、最高峰である神山の南東側に位置します。小田原市や湘南海岸方面から箱根を望むと、広い頂上の山が見えるでしょう。これが駒ヶ岳です。

左右両側には二子山神山という特徴的な山があり、まさに箱根連山の中軸と呼ぶにふさわしい存在。

頂上には箱根駒ヶ岳ロープウェー駅と箱根元宮神社が建ち、箱根の人気観光スポットとなっています。

小田原市酒匂川から二子山、駒ヶ岳、神山(2021年12月15日撮影)

【全国に数ある駒ヶ岳の一つ】

全国には「駒ヶ岳」という名称の山が、確認できるだけで20座あります。

南アルプス連峰甲斐駒ヶ岳(山梨県・長野県、標高2,967m)や、中央アルプス連峰木曽駒ヶ岳(長野県、標高2,956m)、さらには新潟県の越後駒ヶ岳(標高2,003m)等々。

「駒」とは「馬」の意味で、山全体が馬の形をしている、雪が馬の形に見えるなど、諸説あります。
ここ駒ヶ岳も、全国各地と区別する際には「箱根駒ヶ岳」と呼ばれています。

箱根神社第一鳥居から望む駒ヶ岳(2022年2月28日撮影)

【中央火口丘の溶岩ドーム】

約40万年前から大規模な火山活動を続けてきた箱根。長い箱根火山の活動は、外側を取り巻く古期外輪山、その中に隆起する新期外輪山、真ん中に高い中央火口丘という三重式カルデラを作り上げました。

このうち中央火口丘は、約5万年前に誕生したと考えられています。

箱根最高峰・神山の基盤となる中央火口丘は、その後も激しい火山活動を繰り返し、いくつもの「溶岩ドーム」を誕生させました。駒ヶ岳はこの溶岩ドームに属しており、約4万年前~1万年前台ヶ岳小塚山とほぼ同時期にできあがったとされています。

山伏峠から望む駒ヶ岳、左は神山(2014年12月15日撮影)

【駒ヶ岳の姿は大きく秀麗】

広く大らかな駒ヶ岳ですが、仙石原からは望むことができません。しかし一歩外へ出れば、その姿を見ることができます。

小田原市内や古期外輪山の明神ヶ岳明星ヶ岳などからは、左に長く裾を引いた姿が。逆に芦ノ湖スカイラインの山伏峠や芦ノ湖西岸・南岸方面などからは、右に長く裾を引いた姿が望めます。

体力に自信があれば仙石原の金時登山口から矢倉沢峠に登り、明神ヶ岳方面へ縦走すると、駒ヶ岳をはじめ神山・早雲山・二子山の中央火口丘が迫力満点に見られます。

道の駅箱根峠から望む駒ヶ岳、左は神山(2010年1月19日撮影)

明神ヶ岳から望む駒ヶ岳と神山(2022年3月12日撮影)

【仙石原から駒ヶ岳へ行こう】

マイカーであれば神奈川県道75号を芦ノ湖東岸沿いに進み、約25分で箱根園に到着。

公共交通機関であれば箱根登山バスで桃源台まで乗車し、徒歩10分で湖尻バスターミナル。ここから伊豆箱根バスで箱根園に到着です。

箱根園は芦ノ湖畔に開けた複合リゾート施設で、水族館やショッピングモールなどをはじめ、多彩なイベントが開催されており、大いに賑わいます。

箱根駒ヶ岳ロープウェーに乗車すれば、約7分で標高1,327mの「駒ヶ岳頂上駅」。遊歩道が整備されているので、標高1,356mの頂上・箱根元宮神社へ参拝しましょう。

箱根園駐車場から望む駒ヶ岳と頂上駅(2021年12月24日撮影)

箱根元宮神社(2020年1月9日撮影)

【駒ヶ岳大パノラマをご紹介!】

頂上からは富士山をはじめ、箱根の山々に南アルプス連峰、丹沢連峰に横浜や東京の街並みに筑波山、さらには伊豆大島に太平洋、光り輝く芦ノ湖など大パノラマが開けます。ご紹介しましょう!!

北西に望む富士山(2020年1月9日撮影)

富士山の左に南アルプス。左から上河内岳、聖岳、赤石岳、悪沢岳(2020年1月9日撮影)

北に丹沢連峰と大山、手前は明神ヶ岳(2020年1月9日撮影)

大山の右に筑波山を遠望(2020年1月9日撮影)

北東に東京スカイツリーを遠望(2020年1月9日撮影)

東は小田原市から湘南海岸、江ノ島を遠望(2020年1月9日撮影)

南東には伊豆大島に初島に相模湾(2020年1月9日撮影)

眼下には芦ノ湖と元箱根~箱根の街並み(2020年1月9日撮影)

【駒ヶ岳名物「影駒」が出現!】

駒ヶ岳は箱根中央部に高くそびえ、頂上が360度開けた山。だからこそ珍しい光景も見られます。

それがこの影駒。富士山が影を映し出す「影富士」と同じく、駒ヶ岳も晴天の夕方には東の方角へ、自らの影を大きく映し出します。

他の山では見る機会の少ない光景、ぜひこらんください。

北東方向の明星ヶ岳に現れた影駒(2021年12月24日撮影)

こちらは明星ヶ岳から見た駒ヶ岳(2022年3月12日撮影)

【仙石原から駒ヶ岳への公共交通】

(1)仙石または仙石案内所バス停から、箱根登山バス「湖尻桃源台」行きに乗車し「桃源台」で下車。ここから徒歩10分で湖尻バスターミナル(湖尻港)。
2024年5月3日現在の仙石案内所前バス停時刻表

(2)湖尻バスターミナルから、伊豆箱根バス「大涌谷経由 箱根園」行きに乗車し「箱根園」で下車。
2024年5月3日現在の湖尻バス停時刻表

(3)箱根園から駒ヶ岳ロープウェーに乗車し約7分、駒ヶ岳頂上駅下車。
2024年5月3日現在の箱根駒ヶ岳ロープウェー時刻表

湖尻峠付近から桃源台~湖尻を望む(2015年11月6日撮影)

【この夏、駒ヶ岳登山道が復活】

大涌谷の火山活動により2015年5月以降、神山と駒ヶ岳は登山禁止となっていました。大涌谷からは神山を経由し約2時間余り、また芦ノ湖東岸側からも約2時間30分のコースタイム。

2024年7月19日、芦ノ湖東岸からの登山道が約9年ぶりに登山可能となったのです。

春にはキクザキイチリンソウが咲き乱れ、多くの野鳥がうたい、箱根火山の中心を実感できる駒ヶ岳。ご尽力くださったみなさまに、心より感謝申し上げます

登山道から望む駒ヶ岳頂上(2015年4月27日撮影)

キクザキイチリンソウ(2015年4月27日撮影)
 

【駒ヶ岳の大気を感じてみよう!】

大展望が楽しめる駒ヶ岳ですが、いつでも晴天ではありません。頂上へ登ってはみても、濃霧で一面真っ白なこともあります。また風が強いため、気温もぐんと下がるでしょう。

高い山や海に近く、独特の気象をもつ箱根。駒ヶ岳は「箱根の自然と気象を体感できる山」なのです。

雪景色の駒ヶ岳、向こうに天城連峰(2002年12月27日撮影)

【駒ヶ岳の基本情報】

●標高 1,356m
(ロープウェー頂上駅は1,327m)
●中央火口丘(溶岩ドーム)
●箱根で3番目に高い山
富士箱根伊豆国立公園
●神奈川県足柄下郡箱根町
箱根駒ヶ岳ロープウェーで登れる
●風が強いため防寒対策を忘れずに
現在、大涌谷~神山からの登山道は立入禁止
(2024年7月19日、芦ノ湖東岸・防ヶ沢からの登山道が通行可能となりました)

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