オトメスミレは新緑を彩る純白の花、かの有名博士によって発見された!

オトメスミレは清楚で可憐な花。しかもここ箱根の山で、あの有名な博士に発見されました。萌える若葉に咲き競う姿は、誰もが心打たれることでしょう。

(2017年5月2日、乙女峠付近にて撮影)

【箱根の山にひときわ愛らしく】

爛漫と咲き誇っていたサクラが終わりを迎えると、箱根の山々は春から初夏へと移ろいます。道路脇や林の中、そして山肌をごらんください。数限りないスミレたちが謳歌しているでしょう。

とりわけ目立つのは青紫色のタチツボスミレ。でも時折、タチツボスミレの近くに、白さを輝かせるスミレたちが見られます。これがオトメスミレです。

ここ仙石原では仙石原自然探勝歩道をはじめ、金時山長尾山丸岳の尾根沿いや山腹など、山歩きの途中でその姿に出会えます。

(2014年5月9日、丸岳にて撮影)

【白とオレンジと紫の絶妙配合】

開花期は4月中旬~5月上旬。清楚で純白な五弁花の中に、ぽつんとオレンジ色をした雌しべが、その美しさ・可憐さを際立たせています。

よくタチツボスミレといっしょに群生していますが、開花している日時はタチツボスミレより短いため、お目にかかれたならば本当に幸運でしょう。

(2014年5月9日、丸岳にて撮影)

オトメスミレはタチツボスミレの近縁種で、よく似たシロバナタチツボスミレがあります。

見分けるポイントは、花の後ろにある「距(きょ)」の部分が紫色なのがオトメスミレ、白色なのがシロバナタチツボスミレです。

花と距(2021年4月26日、丸岳にて撮影)

【乙女峠で発見したあの有名な方】

その清らかで無垢な白さが名称の由来と思われがちですが、実はここ箱根の乙女峠で発見されたことが名称の由来です。その発見者・命名者こそ植物学者の牧野富太郎博士

オトメスミレは牧野富太郎さんが命名した、実に1,500種類以上の植物の一つなのです。牧野富太郎さんが発見しなければ、私たちはオトメスミレに出会えなかったかもしれません。

乙女峠と富士山の眺め(2023年4月4日撮影)

【悲しき娘さんへのはなむけに】

乙女峠で発見・命名されたオトメスミレ。でも乙女峠と言えば、仙石原に伝わる悲話を想い出します。

お父さんの病気が治ることを願いつつ、峠の向こうの地蔵堂へ毎日「願掛け」に行ったとめという娘さん。しかし彼女は大雪の峠で帰らぬ人となったのです。

健気な娘さんから名付けた乙女峠と、かの有名な博士が名付けたオトメスミレ。不思議なめぐり合わせです。とめさん、今年もオトメスミレが咲いてるよ。

(2017年5月4日、丸岳にて撮影)

【オトメスミレの基本情報】

●和名…オトメスミレ(乙女菫)
●学名…Viola grypoceras form.purprellocalcarata
●英名…Common dog violet
●スミレ科スミレ属(タチツボスミレの近縁種)
●多年草
●開花期…4月上旬~5月上旬
(純白の五弁花にオレンジ色の雌しべ)
●葉…長さ約2cm弱のハート形
●茎の高さは約20cm
●箱根乙女峠にて牧野富太郎博士が発見
●花言葉…「奥ゆかしい」

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です