公時神社は箱根を代表する名峰に鎮座、腕白な金太郎へ子どもたちの成長願う!

公時神社(きんときじんじゃ)は名峰・金時の山下にあり、仙石原の人々に親しまれる神社です。さあ、日本昔話のヒーローへ想いをめぐらせてみませんか。

公時神社拝殿(2014年5月6日撮影)

【険しい金時山、その山麓に鎮座】

仙石原大涌谷など箱根各方面へ向かう車に、箱根から乙女峠や御殿場へ外出する車が、絶えず行き交う国道138号。ふと見上げれば天下の秀峰・金時山が大きく聳え立っているでしょう。

その山ふところへ少し入った所に、公時神社は鎮座しています。

金時神社入口バス停付近から望む金時山(2022年5月10日撮影)

国道138号の「金時神社入口バス停」から、金時ゴルフ練習所を右に見ながら入ると、間もなく公衆トイレのある金時公園駐車場。

すぐ左に建つ「一の鳥居」を入るか、または駐車場左の階段を上れば、公時神社の境内に入ります。近年新しくなった社務所で、公時神社と仙石原諏訪神社御朱印を頂くのもいいでしょう。

目前に建つ「二の鳥居」をくぐれば、正面に公時神社の拝殿があります。ここは広場となっており、左には土俵マサカリがあるでしょう。

そして真上を見れば、険しい金時山が一段と大きく聳えます。公時神社はまさに金時山の真下に鎮座、登山の安全を祈願・感謝する人々の姿も少なくありません。

公時神社と金時山(2021年12月30日撮影)

【御祭神はあの有名な怪力ヒーロー】

階段下にある「金時水」で手を清め、いよいよ公時神社拝殿に参拝しましょう。公時神社は仙石原の鎮守さまである、仙石原諏訪神社の境外末社です。

昔は金時山登山道脇にある「奥の院」で祭事が行われていましたが、1961(昭和36)年にこの地に社殿が建てられ、以降は仙石原諏訪神社と共に、人々に崇め親しまれているのです。

(2021年12月30日撮影)

そして、お祀りされている神様は「坂田公時命(サカタノキントキノミコト)」。

坂田公時(さかたのきんとき)は平安時代中期に源頼光(みなもとのよりみつ)に仕えた「四天王」の一人として、数々の武勇伝で世に名を轟かせた武将です。

その幼名は「金太郎」・・・坂田公時は、日本昔話のヒーロー・金太郎だと言われているのです。

駐車場に見られる看板(2022年5月10日撮影)

「マサカリかついで」「熊にまたがり」「相撲のけいこ」・・・童謡にも歌われたその腕白・怪力ぶりで、昔話の代表格となった金太郎。

目を負傷した金太郎を治そうと、おばあさんが連れて行った「姥子温泉」や、これから足を運ぶ「金時の手鞠石」「金時の蹴落石」「公時の宿り石」など、仙石原は金太郎伝説に彩られています。

境内にあるマサカリ(2021年12月30日撮影)               姥子駅から大涌谷と冠ヶ岳(2022年12月20日撮影)
 

【公時神社の奥へ足を運んでみよう】

もしも体力と時間に余裕があれば、拝殿から奥へと足を運んでみましょう。但しここからは金時山登山道のため、石の多い登り坂となります。山歩きに適した服装や靴をご用意ください。

拝殿から右へ出ると、すぐに登山道へ入ります。

途中の左側には金太郎が投げて遊んだと言われる「金時の手鞠(てまり)石」や、少し右へ入った所には、金太郎が山から蹴落としたとされる「金時の蹴落(けおとし)石」が見られるでしょう。

公時神社からの登山道(2022年10月23日撮影)

金時の手鞠石(2010年5月3日撮影)                   金時の蹴落石(2010年5月5日撮影)
 

いずれも金太郎の怪力伝説による名称で、金太郎が投げて落としたのなら本当にスゴイ!!・・・のですが、実はこれらの巨石・巨岩は、約40万年以上に及ぶ箱根火山活動の過程で、金時山の南側から崩落した岩石なのです。

登山道から離れた山奥には、同様の岩石がもっと隠されているでしょう。

金太郎が投げ落としても、箱根火山の力で落としても、スゴイ!!と言わざるを得ませんね。

【昔はこの岩が公時神社だった】

ヒノキ林を登れば約10分ほどで、2021年4月に開通した「はこね金太郎ライン(神奈川県道731号)」を渡ります。ここは車の往来が多いため充分注意しましょう。

少し進むと右に標柱があります。登山道を逸れ、林の奥へ入れば「公時神社奥の院」の巨石。右側から上ってみると、岩の上に祠(ほこら)とマサカリが納められているでしょう。

昔はここが公時神社として、祭事が行われていたのです。ちみなにこの巨石も金時山から崩落してきたと考えられています。

公時神社奥の院(2010年5月3日撮影)

岩の上にある祠とマサカリ(2022年10月23日撮影)

以前は左側から登山道に戻れたのですが、崩壊危険なため、来た道を戻りましょう。

【人々を脅威させた公時の宿り石】

再び金時山登山道を10分ほど進めば、いよいよ「公時の宿り石」に到着します。目の前にデーンと現れた巨岩に、言葉を失うでしょう。

この巨岩も金時山から崩落してきたもので、金太郎がおばあさんと住んでいたという伝説があります。

公時の宿り石(2022年3月12日撮影)

1931(昭和6)年の冬に、この巨岩が突如、大音響を上げて真っ二つに割れました。(原因はマイナス20℃近い厳寒だったと言われています)

実は当時、公時神社奥の院での祭事が行われていなかったのです。・・・人々は恐るべき力を感じたのか、1933(昭和8)年から再び祭事を行うようになりました。

公時の宿り石(2010年10月18日撮影)

公時宿り石の前に立てば、確かに岩の真ん中に大きな亀裂がありますね。自然の力・・・と言うより神様の力なのでしょうか。

あるいは忘れられかけていた坂田公時の怒りだったのでしょうか・・・。

そして岩の下をごらんください。多くの杖が立てかけられています。いつの頃からか登山者が、岩を支えるように置いていったのです。

(2018年5月5日撮影)                         (2022年3月12日撮影)
 

ちなみに金時山頂上へはここから約1時間。もっと体力と時間に余裕があれば、金時山登山を計画してみるのもいいでしょう。

【五月の風が吹きわたれば金時祭】

ここ公時神社では毎年5月5日に、例大祭「金時祭」が行われます。新緑あふれる境内には鯉のぼりが掲げられ、五月の風に気持ちよく泳いでいるでしょう。

公時神社は金太郎ゆかりの神社。本殿両脇にマサカリと熊革が奉じられ、菖蒲の花に金太郎飴がお供えされて、人々は子どもたちの健やかな成長を祈願します。

そして子どもたちによる相撲大会や里神楽、さらには毎年3月27日に仙石原諏訪神社で行われる湯立獅子舞が奉納されます。

神社前の広場にはさまざまな屋台が並び、金時山へ登る人々や下山してきた人々も加わって、山奥の神社は終日大いに賑わうのです。

金時祭の日(2018年5月5日撮影)
 

金時祭の日(2022年5月5日撮影)

【仙石原の子どもたちよ健やかに】

金時祭は毎年5月5日・こどもの日に行われる例大祭。仙石原が一年のうちで、最も活気に満ちた一日となるでしょう。4月中旬を過ぎれば仙石原のあちこちに、祭を知らせる看板が立ちます。

そこに描かれているのは、熊にまたがった金太郎。

金時山と金太郎に見守られ育った仙石原の子どもたちは、故郷のお祭りをいつまでも忘れずに、健やかに大きく育っていくでしょう。

仙石原交差点に立てられた看板(2016年5月1日撮影)

【公時神社の基本情報】

●鎮座地・・・神奈川県足柄下郡箱根町仙石原
●御祭神・・・坂田公時命(サカタノキントキノミコト)
(幼少時に金太郎の伝説)
●祭礼日・・・5月5日 公時神社例大祭(金時祭)
●金時山頂上まで約1時間20分
●交通アクセス
・金時神社入口バス停から徒歩5分
小田急箱根高速バス・バスタ新宿から約120分)
・仙石バス停から徒歩15分
箱根登山バス・箱根湯本駅から約30分)
●駐車場あり(スペースが限られているため、周辺の有料駐車場もご利用ください)
●公式サイトはこちら

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です