明神ヶ岳は箱根の北にどっしり、火山岩石と花々に彩られた名峰!

明神ヶ岳(みょうじんがたけ)は箱根の北にある山。富士山や金時山・神山を目前に望む頂上は人々を引きつけます。さあ、仙石原から明神ヶ岳へ登りましょう。

大涌谷から望む明神ヶ岳(2019年3月18日撮影)

【外輪山の山並みの向こうに】

仙石原の空を見ると向かって左から、丸岳乙女峠長尾山金時山矢倉沢峠…と外輪山の山並みが続きます。明神ヶ岳はこの向こうにあるため、仙石原中心部からは望むことができません。

しかし台ヶ岳北麓のススキ草原へ場所を移せば角度が変わり、右奥に明神ヶ岳が見えるでしょう。

ススキ草原から望む明神ヶ岳(2022年3月7日撮影)

【金時山と並んで人気の山】

明神ヶ岳は箱根の北東、仙石原からはほぼ東方向に位置します。標高は1,169mあり、箱根では神山冠ヶ岳駒ヶ岳早雲山金時山に次ぎ、6番目に高い山

箱根町と南足柄市にまたがっており、その大きな姿は遠方からもよくわかるでしょう。険しい金時山とは対照的に、穏やかでなだらかな山容。金時山に負けず劣らず人気のある山です。

矢倉岳からの眺め。左から明神ヶ岳、神山、金時山(2022年2月9日撮影)

小田原市酒匂川から明神ヶ岳と富士山(2021年12月15日撮影)

【激しい大噴火をしていた山?】

約40万年前から大規模な火山活動を続けてきた箱根。外側を取り巻く古期外輪山、その中に隆起する新期外輪山、真ん中に高い中央火口丘という三重式カルデラを作り上げました。明神ヶ岳は丸岳や金時山などと同じ、古期外輪山に属しています。

箱根火山の歴史を辿っていく上で、明神ヶ岳はとりわけ貴重な山でしょう。火山活動が始まって間もない頃、この明神ヶ岳は一つの成層火山だったとされています。

駒ヶ岳から望む明神ヶ岳と丹沢連峰(2020年1月9日撮影)

ススキ草原や大涌谷・駒ヶ岳から明神ヶ岳を眺めると、頂上付近に赤い岩肌が目立ちますが、これこそ明神ヶ岳が激しい火山活動に関わった証でしょう。

明神ヶ岳は黒土と赤土が厚く重なった「溶岩流」と「火砕岩(かさいがん)」が覆っているとされています。火砕岩は高熱により酸化した岩石。激しい噴火で飛んできた「火山弾」とも考えられ、明神ヶ岳の登山道に露出しています。

尚、頂上付近は切り立った火口壁になっているため近寄らないように…。

火山弾と思われる岩石(2018年5月1日撮影)                頂上の火口壁(2022年3月12日撮影)
 

【箱根最古の道があった山?】

火山としての歴史も古い明神ヶ岳は、同時に日本の古き歴史も物語る山。箱根で最も古い道が通っていたとされています。それは奈良時代頃から栄えていた「碓氷道(うすいみち)」。

現在の静岡県御殿場市付近から乙女峠を越えて仙石原に下り、再び箱根の山(明神ヶ岳)を越え、神奈川県南足柄市方面へ至りました。

日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が通ったとも言われる、伝説の道です。

丸岳~金時山~明神ヶ岳への尾根、中央が乙女峠(2022年3月12日撮影)

【迫力満点の絶景を楽しもう!!】

明神ヶ岳は山腹を深い森林に覆われていますが、頂上付近の尾根は明るく開けています。それだけに眺望の素晴らしさは、箱根でも代表格と呼べるでしょう。

西には富士山と金時山が絶妙なコラボを見せ、富士山の右側には南アルプスの名峰。南には箱根最高峰・神山が、火山活動を迫力満点に展開します。

富士山の手前には金時山が(2022年3月12日撮影)

南アルプス連峰。左から間ノ岳、北岳(2021年4月21日撮影)

駒ヶ岳に神山・大涌谷の眺め(2022年3月12日撮影)

【明神ヶ岳の花々をご紹介!!】

爽快な登山を楽しませてくれるのは、360度の眺望だけではありません。

独特の地質と日当たりの良さ、強風が吹きつける環境とあって、多くの花々が見られるのも明神ヶ岳の特徴。代表的な花をご紹介しましょう。

マメザクラ(2021年4月21日撮影)                    スミレ(2021年4月21日撮影)
 

カントウミヤマカタバミ(2021年4月21日撮影)              タチツボスミレ(2021年4月21日撮影)
 

コケリンドウ(2021年4月21日撮影)                   クサボケ(2018年5月1日撮影)
 

ヒメハギ(2018年5月1日撮影)                     アセビ(2021年4月21日撮影)
 

ヤマボウシ(2010年6月22日撮影)                    マツムシソウ(2010年10月18日撮影)
 

フジアザミ(1997年11月1日撮影)

センブリ(2010年10月18日撮影)                    ウメバチソウ(2010年10月3日撮影)
 

リンドウ(2015年11月6日撮影)                     リュウノウギク(2010年10月18日撮影)
 

明神ヶ岳では「植生復元事業」が行われています。多くのみなさんの努力も想いつつ、絶景と花々をご堪能ください。

【主な登山コースを紹介!!】

明神ヶ岳は仙石原から距離があるため、相応分の時間と体力を要します。

(1)仙石原~矢倉沢峠 経由コース

仙石原交差点から国道138号を御殿場方面へ歩き、別荘地の坂道からヒノキ林を登り詰めれば、やがて矢倉沢峠。金時山を左に見送り、古期外輪山の尾根沿いに大小6つのピークを越えて進みます。

途中の火打石岳(ひうちいしだけ・標高988m)は山腹を巻き、いよいよ明神ヶ岳への急登。道が緩やかになれば、やがて頂上に到着です。帰りは往路を戻りましょう。

【所要時間・・・片道 約3時間00分】
●仙石原交差点(3分)金時登山口バス停(10分)登山道入口(25分)矢倉沢峠(70分)火打石岳看板(65分)明神ヶ岳頂上

金時山から明神ヶ岳への尾根(2022年3月12日撮影)

明神ヶ岳頂上、向こうに二子山(2018年5月1日撮影)

時間と体力を考慮し宮城野へ下ってもOK。余裕があれば南東の明星ヶ岳(みょうじょうがたけ・標高924m)へ縦走するのもいいでしょう。最後は宮城野橋へ到着します。

【所要時間・・・宮城野営業所前バス停まで約1時間50分。明星ヶ岳を経由し宮城野橋バス停まで約2時間30分。各バス停からは箱根登山バス「湖尻桃源台行き」に乗車し、仙石原方面へ帰ります】

●2023年12月11日現在、宮城野案内所前バス停の時刻表
●2023年12月11日現在、宮城野橋バス停の時刻表

明神ヶ岳から望む明星ヶ岳(2021年4月21日撮影)             明星ヶ岳方面から明神ヶ岳(2018年4月28日撮影)
 

春の宮城野から望む明神ヶ岳(2016年4月12日撮影)

(2)仙石原以外の登山コース

●宮城野営業所前バス停から「鞍部」を経由し、約2時間00分。
(注)宮城野明神平から尾根へ続く作業道は立入禁止。

●南足柄市の大雄山最乗寺(道了尊)から、明神ヶ岳見晴小屋を経由し、約3時間20分。

富士山から明神ヶ岳(左奥)と金時山(2010年9月11日撮影)

【人々に崇められる明神さま】

頂上から程近い林に、小さな石の祠があります。南足柄の人々が祀ったと思われる「岳の明神さま」。まさに明神ヶ岳の神様です。

昔の人々は明神ヶ岳で狩猟・林業を行い、生活をしてきました。その恵みを分かち与えた山こそ明神ヶ岳、今も静かにひっそりと信仰されています。

岳の明神さま(2022年12月26日撮影)
 

【明神ヶ岳の基本情報】

●標高 1,169m
●古期外輪山
●箱根で第6番目に高い山
富士箱根伊豆国立公園
●神奈川県足柄下郡箱根町、神奈川県南足柄市、
●西に金時山と火打石岳、南東に明星ヶ岳、
●成層火山だったと思われる
●フジアザミが見られる山

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