長尾山は箱根外輪山中心部に鎮座、丸岳や金時山と並んで抜群の存在感!

長尾山(ながおやま)は、箱根の代表的存在である金時山の南西側に位置します。

仙石原の空をごらんください。北には金時山があり、西には鉄塔の立つ丸岳が見えるでしょう。その中央にある、右上方へ高くなった台形の山…これが長尾山です。

仙石原から望む新緑の長尾山(2022年5月10日撮影)

【標高がぐんと高くなった山】

神奈川県箱根町と静岡県小山町の2県2町にまたがる山。標高は以前まで1,119mだったのですが、近年の計測で1,144mに変更されました。実に25mも高くなったのです!!

約40万年前から大規模な火山活動を続けてきた箱根。これにより大地の隆起と陥没がおき、周囲を山が取り囲む「三重式カルデラ」が形成されました。

長尾山はいちばん外側を取り巻く古期外輪山に入り、箱根でも相当古い山と考えられています。

頂上の標識(2016年5月1日撮影)                   頂上の標識(2022年5月5日撮影)
 

【独特の台形で金時山と共に…】

長尾山は右側(北東側)を金時山、左側(南西側)を丸岳に挟まれ、丸岳との間には乙女峠(おとめとうげ・標高1,005m)があります。

仙石原から見れば右上方へ突き上げる独特の形。静岡県方面から見れば、仙石原とは逆の形です。

芦ノ湖から望む長尾山と金時山(右)(2017年1月2日撮影)

御殿場駅から望む長尾山と金時山(左)(2022年3月30日撮影)

【意外に険しく時間のかかる山】

仙石原からはすぐ近くに見える長尾山ですが、登るには思いのほか距離があります。

頂上を踏むには位置関係から見て、登りまたは下りのどちらかで乙女峠を経由しなければならないため、相応分の時間も必要になります。

金時山頂上直下から望む長尾山、左奥は愛鷹連峰。(2021年12月30日撮影)

隣接する金時山があまりにも有名なため、長尾山は「通過点」とされがち。

しかしその山容は険しく切り立っており、急斜面の登りや、鎖の付いた岩場の通過が待っています。

それだけに頂上へ到着すればほっと一息。展望こそありませんが、休憩するにはもってこいです。

【美しく貴重な自然の宝庫】

長尾山には金時山に負けず劣らず、美しく貴重な自然が豊富に存在します。

頂上付近に見られるブナ林をはじめ、5月には淡い紫色のトウゴクミツバツツジと、ゴヨウツツジの別名を持つシロヤシオの花が、新緑を鮮やかに彩ってくれるでしょう。

森林は深く頂上は明るく開けた長尾山、スミレ類など花もさまざまに見られます。

新緑のブナ林(2015年5月11日撮影)

トウゴクミツバツツジとシロヤシオ(2015年5月11日撮影)

コブシ(2023年4月4日撮影)                      ナガバノスミレサイシン(2023年4月4日撮影)
 

シロヤシオ(2015年5月11日撮影)                    オトメスミレ(2022年5月5日撮影)
 

フモトスミレ(2022年5月5日撮影)                   コケリンドウ(2019年5月5日撮影)
 

また多くの野鳥や昆虫が、ふと姿を見せるのも長尾山の特徴。秋になれば紅葉の美しさも格別でしょう。長尾山の自然の奥深さは、金時山に優るものがあります。

頂上付近に現れたアサギマダラ(2010年6月10日撮影)

ニワハンミョウ(2010年6月3日撮影)                  ツマグロヒョウモン(2022年5月5日撮影)
 

【仙石原からの眺めもまた良し】

仙石原から眺める長尾山は、金時山や丸岳と共に季節の移ろいを感じさせてくれます。春の芽吹きに始まり、初夏の新緑…。

早春の長尾山(2022年3月7日撮影)

初夏の長尾山(2022年6月19日撮影)

秋の紅葉に、冬の雪景色と、その表現力も金時山に負けていません。

晩秋の長尾山(2021年11月28日撮影)

積雪の長尾山(2022年2月11日撮影)

【主な登山コースを紹介!!】

仙石原を起終点とする長尾山の登山コースは3つあります。簡単にご紹介しましょう。

(1)矢倉沢峠~金時山経由コース

仙石原の中心「仙石原交差点」から国道138号を御殿場方面へ進み、別荘地の坂道からヒノキ林を登り詰めれば矢倉沢峠です。

ここからハコネダケと岩石の急斜面を登り、公時神社からの登山道と合流して金時山頂上へ最後の急登。金時山からは岩場を下って1つピークを越え、尾根伝いに登れば長尾山頂上です。

【所要時間・・・片道 約2時間10分】
●仙石原交差点(2分)金時登山口バス停(40分)矢倉沢峠(50分)金時山(35分)長尾山頂上

樹木越しに望む富士山(2023年4月4日撮影)

(2)公時神社~金時山経由コース

仙石原の中心「仙石原交差点」から国道138号を御殿場方面へ進み、右奥の公時神社へ。森の中を登ると「公時宿り石」の巨岩に到着します。

ここからヒノキ林の急斜面を登り、矢倉沢峠からの道と合流し金時山頂上へ最後の急登。金時山からは岩場を下って1つピークを越え、尾根伝いに登り長尾山頂上です。

【所要時間・・・片道 約2時間10分】
●仙石原交差点(15分)金時神社入口バス停(5分)公時神社(20分)公時宿り石(55分)金時山(35分)長尾山頂上

長尾山登りにある鎖場(2018年5月5日撮影)               長尾山頂上への急登(2022年5月5日撮影)
 

(3)乙女峠 経由コース

仙石原の中心「仙石原交差点」から国道138号を御殿場方面へ30分進み「乙女口バス停」前が登山口。薄暗い林を登り詰めて乙女峠に到着します。

ここから尾根沿いに登れば長尾山頂上。さらに金時山までは約40分です。

【所要時間・・・片道 約1時間30分】
●仙石原交差点(30分)乙女口バス停前(40分)乙女峠(20分)長尾山頂上

乙女峠から長尾山への登り(2023年4月4日撮影)             長尾山から丸岳を望む(2010年5月3日撮影)
 

【さあ、長尾山へ登ろう】

長尾山は金時山の「前衛峰」という存在ですが、立派な箱根外輪山の一つ。しかし金時山とは切っても切り離せません。

金時山へ登って行く人を「いってらっしゃい、気を付けて」と見送り、金時山から下りてきた人を「ごくろうさん、少し休んで」と迎える…長尾山は温かな山です。

長尾山の頂上(2023年4月4日撮影)

【長尾山の基本情報】

●標高1,144m
●古期外輪山
●箱根で第8番目に高い山
富士箱根伊豆国立公園
●神奈川県足柄下郡箱根町、静岡県駿東郡小山町、
●北東に金時山、南西に乙女峠と丸岳

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です