二子山は特異な姿で迎える箱根の顔、電波と自然が守られた禁断の名峰!

二子山(ふたごやま)は、箱根で最も特徴的な山。その姿は遠くからでもすぐにわかります。さあ、さまざまな姿の二子山を見に出かけましょう。

小田原市内から望む二子山(2022年7月20日撮影)

【箱根に来たことを実感する山】

二子山(双子山)は箱根の南に位置する山。東京または横浜方面からマイカーや電車で西へ進むと、箱根の山々がぐんぐん近づいてきます。

その箱根連山の左に目を移すと、2つ連なった大きな山が目立つでしょう。これが二子山です。この山を見れば「箱根に来た」ことを実感するでしょう。

ちなみに二子山の右側(北側)を国道1号が、左側(南側)を神奈川県道732号「箱根旧東海道」が、曲がりくねった急な坂道を成し、険しい箱根の山を越えています。

小田原市酒匂川から望む二子山(2021年12月15日撮影)

【日常生活に箱根駅伝も支える山】

東の小田原市など神奈川県側だけでなく、西の静岡県側からも、その特徴的な姿は一目でわかります。

二子山にはそれぞれ名称が付いており、鉄塔のある方が上二子山(かみふたごやま・標高1,091m)、もう一方が下二子山(しもふたごやま・標高1,065m)

上二子山に建つ鉄塔は「NTT二子山無線中継所」で、NTT東日本やNTTドコモの電波を中継しており、私たちの情報網を司る重要拠点となっています。

箱根湯本駅前から望む下二子山、右が上二子山(2018年12月26日撮影)

またお正月に開催される東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)の時に、ヘリコプターを経由して電波を送信する場所がこの無線中継所。テレビ放送時には「双子山無線中継所」と紹介されています。

若きランナーの前に立ちはだかる箱根の山。毎年名勝負が繰り広げられるのも、二子山付近というケースが多いのです。

小田原市内から望む二子山(2022年2月16日撮影)

【箱根では最も新しい山の一つ】

約40万年前から大規模な火山活動を続けてきた箱根、長い箱根火山の活動は、外側を取り巻く古期外輪山、その中に隆起する新期外輪山、真ん中に高い央火口丘という三重式カルデラを作り上げました。

このうち中央火口丘は、約5万年前に誕生したと考えられています。

箱根最高峰・神山の基盤となる中央火口丘は、その後も激しい火山活動を繰り返し、いくつもの「溶岩ドーム」を誕生させました。これが現在の駒ヶ岳台ヶ岳小塚山に当たり、約4万年前~1万年前にできあがったとされています。

さらにその後の火山活動により約5,700年前、新たな溶岩ドームが発生しました。これが二子山の誕生と言われています。二子山は冠ヶ岳と同様、箱根では最も新しい山かもしれません。

山伏峠からの眺め。左から神山、駒ヶ岳、二子山(2014年12月15日撮影)

【無数のピークが隠されている】

二子山は特徴的な大きな山が、その名のとおり2つ並んで見えます。・・・でもよく見てみると、他にも小さな山があるように思いませんか?

二子山は約5,700年~5,000年前に、溶岩ドームとして誕生しました。しかしその後も大小の火山活動と地殻変動を繰り返し、その結果、いくつものピークが「コブ」のように形成されたのです。

とりわけ南西側の芦ノ湖道の駅箱根峠から望むと、4つほどの山に見えるため「表二子(おもてふたご)に裏四子(うらよつご)」と呼ばれることがあります。

しかし実際には、もっと多くのピークが隠れていると思われます。

道の駅箱根峠から望む二子山(2010年1月19日撮影)

【さあ、二子山を見に行こう!】

箱根で最も目立つ二子山ですが、仙石原からその姿を望むことはできません。さあ、二子山を見に出かけましょう。マイカーをお持ちであれば湖尻峠から芦ノ湖スカイラインに入って約15分の、山伏峠がベストビューポイント。

山伏峠から望む二子山(2015年5月1日撮影)

箱根海賊船箱根芦ノ湖遊覧船に乗れば、元箱根付近で間近に望むことができます。富士山と同じく箱根のベストショットに収めましょう。

また神奈川県道732号沿いの「お玉ヶ池」からは、さらに近くでその姿を見ることができます。

体力に自信があれば仙石原の金時登山口から矢倉沢峠に登り、明神ヶ岳方面へ縦走すると、二子山から駒ヶ岳・神山の中央火口丘が迫力満点に見られます。

芦ノ湖から望む二子山と元箱根(2010年1月2日撮影)

明神ヶ岳から望む二子山(2021年4月21日撮影)

【二子山は…登れない禁断の山】

二子山はNTT無線中継所の存在と貴重な自然を保護するため、かつてから入山が禁止されています。

その二子山に咲く代表的な花が、全国でも数少ないハコネコメツツジ。湿度の高い岩場に多く、7月に筒状の小さな花をいっぱい咲かせます。

二子山は人の手がほとんど入っていないため、まさに自然の宝庫。「とても日本の山とは思えない」とのことです。

お玉ヶ池から望む上二子山(2022年2月28日撮影)

【二子山は箱根のシンボル!!】

本文の冒頭部分に二子山を「特異な姿で迎える箱根の顔、電波と自然が守られた禁断の名峰」と書きました。私たちの通信網や貴重な自然を守るために、二子山へ入ることは今後も許されないでしょう。

そんな厳しさの反面で、二子山は箱根を訪れた人を「よく来たな」と迎え、箱根を離れる人を「またおいで」と送り出してくれます。二子山はずっと箱根のシンボルです。

箱根湯本・三枚橋から夕暮れの二子山(2019年12月8日撮影)

【二子山の基本情報】

●上二子山 標高1,091m
●下二子山 標高1,065m
●中央火口丘(溶岩ドーム)
富士箱根伊豆国立公園 特別保護地区
●神奈川県足柄下郡箱根町
●上二子山にNTT無線中継所
●無線中継所と自然保護のため入山禁止

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二子山は特異な姿で迎える箱根の顔、電波と自然が守られた禁断の名峰!” に対して2件のコメントがあります。

  1. 尾上 より:

    二子山、ユニークな紹介ですね。入山禁止なら一度は登ってみたくなる、花のいい時期に。ハコネコメツツジはここですか。

    1. 加藤 学 より:

      尾上さま、ありがとうございます。実は20年以上前まで年に1回(7月頃)、二子山に入る機会がありました。ハコネコメツツジがメインだったようです。しかし今はそれも実施されていないとか・・・また復活してほしいですね。二子山には他にもサンショウバラ、ヤマボウシ等々いっぱいです。

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