キジの声は仙石原いっぱいに響きわたる、今日も朝から元気にケンケーン!♫

キジが高らかに鳴き立てれば、仙石原に朝がやってきます。今日、広い高原のどこかで、このカラフルでユニークな鳥にめぐり会えるでしょう。

キジのオス(2009年5月14日、湖尻付近にて撮影)

【一日のはじまりは高らかな声で】

仙石原の一日はひんやり引き締まった空気と、多くの野鳥たちの声で始まります。突如、空気を切り裂くように「ケン、ケーン!!」と甲高い声がきこえてきませんか。

その声の主こそキジ。仙石原の空気をピリッとさせつつ、キジも一日の生活が始まるのです。

鳴くオス(2010年5月8日、ススキ草原にて撮影)

【仙石原に多く見られる日本の国鳥】

キジは北海道と長崎県対馬を除く、日本全国に分布しています。日本鳥学会によって「日本の国鳥に指定されている他、岩手県や岡山県では県の鳥に指定されるなど、各県や市町村の象徴的な存在にもなりました。

ここ箱根ではとりわけ仙石原に多く、中心部から芦ノ湖畔にかけ広く生息しています。主に林の中や明るい草地を好み、ときどき鳴き声と共に姿を現してくるでしょう。

キジの声が響く仙石原(2021年4月21日、金時山から撮影)

ちなみに芦ノ湖北側にある箱根湖畔ゴルフコースは、キジがシンボルマークになっています。

箱根湖畔ゴルフコースと芦ノ湖(2021年4月26日、丸岳から撮影)

【派手な色のオスと地味な色のメス】

体長はオスが約80cm、メスが約60cm。オスは頭部があざやかな赤色で、耳のような冠羽があり、全体が光沢のある美しい緑色です。対照的にメスは茶褐色の地味な姿をしています。

オスは自分を派手に見せることでメスを呼んだり、雛(ひな)を守るため外敵の目を引きつけたりします。メスは地味な体色でうまく草木に溶け込み、外敵から卵や雛を守ることができるのです。

オスの冠羽(2010年5月8日、ススキ草原にて撮影)

キジのメス(2009年5月9日、姥子にて撮影)

【オスは鳴き声も動作も派手に決める】

キジの鳴き声は、一度きいたら強烈に印象に残ります。特に春から夏にかけては繁殖期を迎えるため、仙石原ではあちこちから「ケン、ケーン!!」と甲高い声がきこえてくるでしょう。

そして同時に両の翼を広げて胴体に打ちつける「ドロロロロロ・・・」という音もきこえてきます。この動作を「母衣打ち(ホロうち)」と呼んでいます。これはオスの縄張り宣言なのです。

また「ケホッ、ケホッ・・・」ときこえる地鳴きもします。ちなみにメスは「チョッ…、チョッ…」と小さな声を出すことがあります。

高らかに鳴くオス(2010年5月8日、ススキ草原にて撮影)

そしてホロうち(2010年5月8日、ススキ草原にて撮影)

【逃げるメス、追うオス…恋のゆくえは】

キジにとって春から夏は恋の季節。オスは心ときめくメスを見つけると、前に立ちふさがるようにして、頭を深く下げながら羽を半開きにし、ヒラヒラヒラバタバタバタ…と激しく動かします。

派手な自分をいっそう派手に大きく見せるのです。これがオスのプロポーズ

メスを追いかけるオス(2008年4月28日、仙石原にて撮影)
 

求愛するオス(2014年5月26日、御殿場市内にて撮影)

逃げるメス、追いかけるオス(2010年5月31日、湖尻付近にて撮影)

しかしすぐには受け入れてくれないのがメス、素っ気なく逃げてしまいます。それでもオスはあきらめずにメスを追っかけまわし「僕と付き合ってください!!」と、何度もプロポーズするのです。

一方のメスは「一度や二度断られて引き下がるなら、大した男じゃないわよね」・・・と、オスの気持ちが本気なのかを試しているのでしょう。

その結果は・・・ああ!!

でも僕はあきらめない!!

何度でもアタック・・・。

やった!! 僕の方を向いてくれた!!❤❤❤❤❤❤❤

バンザーイ!! 僕に彼女ができたぞー!!

【キジには常識を超えた地震察知能力が】

近年、キジと地震の関係が注目されはじめました。地震を察知する能力と言えば「ナマズ」が有名ですが、このキジにもナマズ以上に優れた地震察知能力があるのでは・・・とされているのです。

キジの足の裏には敏感な感覚細胞があり、人間より数秒速く地震を感じられると言われます。「家の庭にいたキジが騒がしく鳴いたと思ったら、緊急地震速報が出た」というSNS投稿もあったほど。

火山活動活発化当時の仙石原(2015年5月21日撮影)

思えば2015(平成27)年5月に箱根火山活動が活発化した頃、キジの声がいつもより激しかったような記憶があります。人間の域を超えた察知能力のキジ、仙石原には欠かせない存在なのでしょう。

【人間と関係深い鳥、どうぞ安全運転で】

ウグイスホトトギス同じく、キジは昔から日本人になじみ深い鳥。金太郎に負けない日本昔話のヒーロー・桃太郎にも登場し、主人公の心強い味方になります。

また「ケン、ケーン!!」の強烈な鳴き声から誕生した言葉もあります。

あえなく拒絶されてしまう「けんもほろろ」や、キジが鳴かなければ撃たれなかったろう・・・が転じ、余計なことを言ったばかりに災難を被る「キジも鳴かずば撃たれまい」等々。

住宅の庭に現れたオス(2018年4月27日、仙石原にて撮影)

肉も上品質として高級料理に供されるなど、キジは私たち日本人と切っても切り離せない、まさに国鳥にふさわしい鳥なのです。

キジは人間と関わりの深い鳥。そうであるが故に、ふと車道へ出てくることも珍しくありません。みなさま、キジとめぐり会うためにも、ゆっくり安全運転をお願いします。

【仙石原のどこかで日々を生きる

仙石原の一日は、キジの甲高い声から始まります。あちこちから響きわたってくるこの声をきいただけでも、仙石原という地を満喫できるでしょう。

高らかにこだまする声、甘くはない恋愛への道・・・「ケン、ケーン!!」今日も一日が始まります。日々を懸命に生きるキジに、この高原のどこかでめぐり会えるでしょうか。

オス(2009年5月14日、湖尻付近にて撮影)

【キジの基本情報】

●和名…キジ(雉)
●学名…Phasianus versicolor
●英名…Green Pheasant / Japanese Pheasant
●キジ科キジ属
●留鳥
●観察できる時期…ほぼ1年中
●体長…オスは約80cm、メスは約60cm
●翼開長…約77cm
●オスの体色…頭部は赤色、体は光沢のある緑色
●メスの体色…地味な茶褐色
●鳴き声
・地鳴き…ケホッ、ケホッ
・さえずり…ケン、ケーン!!
日本の国鳥

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