金時山は箱根で人気ナンバーワン、 四季を通じ愛される天下の秀峰!
金時山(きんときやま・きんときざん)は箱根の山で人気第1位と呼べるでしょう。仙石原の空をごらんください。北西にそびえる尖った山…それが金時山です。
この記事の目次
【金時山は日本三百名山】
神奈川県箱根町と南足柄市、静岡県小山町の2県3市町にまたがる山。
以前まで標高が1,213mと表記されていましたが、近年の再計測により「標高1,212m」と変更されました。箱根では神山と共に「日本三百名山」に数えられています。
【箱根の中で最も古い山?】
約40万年近く前から、大規模な火山活動を続けてきた箱根。これにより大地の隆起・陥没がおきました。その結果形成されたのが、山が周囲を取り囲む「三重式カルデラ」という地形。
激しく複雑な火山活動を経て、カルデラの北西端に形成されたのが金時山と言われています。箱根でいちばん古い山かもしれません。
【イノシシの鼻に金太郎】
写真でもわかるように、尖った三角形が特徴の山。その形が「イノシシ」の鼻を連想させることから、昔は「猪鼻嶽(いのはなだけ)」と呼ばれました。
上部へ登れば登るほど傾斜は急になり、鎖やロープの岩場もある、大変険しい山です。そのスリリングさと、頂上に登った達成感が、多くの登山者を引きつけるのでしょう。
日本昔話のヒーロー「金太郎」が生まれ育った山の伝説も、金時山の人気をより高めています。
【金時山は自然の宝庫】
金時山に登れば、貴重で豊富な自然が迎えてくれます。春は萌える新緑に、夏はどんどん深まる緑。それを彩ってくれるのが、たくさんの花や鳥の声でしょう。
秋は見事な紅葉に彩られ花々が多く咲きます。木枯らしが仙石原を吹きわたれば、やがて金時山は、霧氷と雪に覆われた厳しい姿となります。
【遠くからでもわかる山】
金時山は周囲の山より一段高いうえ、ほぼ東西南北が切り立った崖になっています。そのために金時山は、ひときわ目立つ「鋭くとんがった山」。
箱根山中からはもちろん富士山や湘南海岸方面など、遠距離の山や街・海岸からも、特徴的な山容はすぐにわかるでしょう。
富士山から箱根の山々、左手前が金時山(2010年9月11日撮影)
鎌倉市から箱根の山々、右端が金時山(2019年4月11日撮影)
【金時山に咲く花を紹介!!】
金時山には実に多くの花々が咲き競い、その数は約400種類と言われています。あれもこれも紹介したいのですが…代表的な花を27枚の写真でごらんください。
タチツボスミレ(2017年5月4日撮影) オトメスミレ(2022年5月5日撮影)
クサボケ(2022年5月5日撮影) ニオイタチツボスミレ(2022年5月5日撮影)
シバヤナギ(2014年5月6日撮影) オトコヨウゾメ(2015年5月6日撮影)
コイワザクラ(2019年5月5日撮影) ヒメハギ(2015年5月6日撮影)
フデリンドウ(2019年5月5日撮影) ギンリョウソウ(2015年5月11日撮影)
ミツバツチグリ(2015年5月6日撮影) トウゴクミツバツツジ(2015年5月11日撮影)
ツクバネソウ(2022年5月5日撮影) タニギキョウ(2022年5月5日撮影)
チゴユリ(2024年5月4日撮影) ハンショウヅル(2010年6月17日撮影)
ハコネギク(2014年9月4日撮影) シラヒゲソウ(2014年9月4日撮影)
ホトトギス(2010年10月3日撮影) センブリ(2010年10月18日撮影)
キントキシロヨメナ(2010年10月18日撮影) イワシャジン(2010年10月3日撮影)
リンドウ(2010年10月18日撮影) リュウノウギク(2010年10月18日撮影)
【主な登山コースを紹介!!】
仙石原を起終点とする金時山の登山コースは3つあります。
(1)矢倉沢峠 経由コース
仙石原の中心「仙石原交差点」から国道138号を御殿場方面へ2分ほど進み、別荘地の坂道からヒノキ林を登り詰めれば、やがて矢倉沢峠。
ここからは背の高いハコネダケの急斜面、そして岩石の多い急斜面を登ります。公時神社からの登山道と合流すれば、頂上へ最後の急登です。
【所要時間・・・片道 約1時間35分】
●仙石原交差点(2分)金時登山口バス停(10分)登山道入口(30分)矢倉沢峠(30分)公時神社分岐(20分)金時山頂上
新しく整備された登山道入口(2022年5月5日撮影) 矢倉沢峠上の岩場(2022年3月12日撮影)
(2)公時神社 経由コース
仙石原の中心「仙石原交差点」から国道138号を御殿場方面へ15分進み、右奥の公時神社(きんときじんじゃ)へ入ります。森の中を登ると「公時宿り石」の巨岩に到着。
ここからはヒノキ林の急斜面を登り、矢倉沢峠からの道と合流すれば、頂上へ最後の急登です。
【所要時間・・・片道 約1時間40分】
●仙石原交差点(15分)金時神社入口バス停(5分)公時神社(20分)公時宿り石(35分)公時神社分岐(20分)金時山頂上
新緑の公時神社(2014年5月6日撮影) 公時宿り石(2010年10月18日撮影)
(3)乙女峠~長尾山 経由コース
仙石原の中心「仙石原交差点」から国道138号を御殿場方面へ30分進み「乙女口バス停」前が登山口。薄暗い林を登り詰めて乙女峠に到着です。
ここからは尾根沿いに長尾山を越え、岩の露出した急斜面を頂上へ向け登ります。
【所要時間・・・片道 約2時間20分】
●仙石原交差点(30分)乙女口バス停前(40分)乙女峠(20分)長尾山(45分)金時山頂上
登山口のお地蔵さま(2022年5月5日撮影) 頂上直下の急登(2022年5月5日撮影)
(4)仙石原以外の金時山登山道
(1)国道138号・乙女峠から、乙女峠~長尾山を経由し、約1時間45分。
(2)小山町のJR御殿場線「足柄駅」から足柄峠を経由し、約3時間20分(途中で複数の分岐あり)。
(3)南足柄市の「地蔵堂」から夕日の滝~足柄峠ハイキングコースを経由し、約2時間40分。
(4)南足柄市の「地蔵堂」から足柄万葉公園~足柄峠ハイキングコースを経由し、約2時間30分。
足柄峠から望む金時山(2022年2月9日撮影) 夕日の滝(2022年2月9日撮影)
【さあ、金時山へ登ろう】
金時山には、年間10万人近い登山者が訪れます。2021年秋には小田原市にお住まいの方が、実に登頂 6,000回を達成しました。
他にも数千回・数百回登っている方が名を連ねます。中には「毎朝出勤の前に登る」という方も!! 金時山は日常生活の一部になっているのです。
金時山に登る人(2018年5月5日撮影) 金時山に登る人(2021年12月30日撮影)
仙石原を東西に貫く国道138号では、これから金時山へ登る人、金時山から下りてきた人の姿を毎日のように見かけます。
四季変化に富んだ自然、そして富士山の眺め…金時山は魅力いっぱいの山。
天下の秀峰・金時山が待っています。
【金時山の基本情報】
●標高1,212m
●日本三百名山
●箱根で第5番目に高い山
●富士箱根伊豆国立公園 特別保護地区
●神奈川県足柄下郡箱根町、神奈川県南足柄市、静岡県駿東郡小山町、
●古期外輪山の山群に所属する成層火山
●頂上に金太郎茶屋、金時娘の茶屋あり(宿泊は不可)
●矢倉沢峠にうぐいす茶屋あり(不定期に営業の模様)
●クマ出没について(新)
(※)金時山は「古期外輪山」の山群に位置していますが、他の山とは地質が異なるため、厳密には古期外輪山ではありません。しかしここでは古期外輪山の一つとして紹介しました。
加藤さん
とても沢山の写真とたっぷりの情報量ですね♪
2回登ったことがありますが、富士山は見られず、お花にも会えずでした。また行ってみたいと思います!
高橋さん、ありがとうございました。いよいよこれから秋の金時山登山シーズンです。・・・そういえば陽希さんも数時間粘りながら、富士山が見られませんでしたよね。ぜひ晴天の日に初冠雪の富士山をごらんください。