仙石原から見える3つの山を登頂、金時山・長尾山・丸岳を1日で歩こう!
仙石原から北の空をごらんください。右から金時山~長尾山~丸岳と、3つの大きな山が並んでいるでしょう。時間・体力・天気が許せば、この3座すべてに1日で登頂が可能です。
ここでは仙石原を出発し、金時山~長尾山~丸岳の3つの山を登頂縦走後、仙石原へ戻るという、満足感いっぱいのロングコースをご紹介しましょう。
右から金時山・長尾山・丸岳(2014年12月15日、芦ノ湖スカイライン三国峠から撮影)
この記事の目次
【第1座目・金時山に登る】
【仙石原から登山道入口へ】
出発点は仙石原の中心「仙石原交差点」。ここから国道138号を御殿場方面へ少し歩いて「金時登山口バス停」を通り、標識に従って右へ入りましょう。別荘地の坂道を上れば右に登山道入口です。
バス停前の標識(2022年5月5日撮影) 登山口へ向かう坂道(2022年5月5日撮影)
【最初は矢倉沢峠への登り】
まずはヒノキ林の中を矢倉沢峠へ向かいます。この後の距離と体力を考え、ゆっくり登って行きましょう。ヒノキ林が少しずつ明るくなり、ハコネダケが目立ってくると矢倉沢峠に到着。
ここでしばしの休憩です。
新しく整備された登山道入口(2022年5月5日撮影) 矢倉沢峠への登り(2019年5月5日撮影)
【金時山へ向かっていざ急登】
矢倉沢峠で休憩をとったら、金時山へアタックしましょう。ハコネダケに覆われた急登は、やがて岩石の多い急登に変わりますが、季節の花々が心を癒してくれます。
神山や大涌谷・仙石原方面の展望が開け、頑張って登れば公時神社からの登山道が合流。このあたりは「金時山の肩」と呼ばれています。(エスケープの場合…ここから公時神社を経由し仙石原まで約50分)
矢倉沢峠上の急斜面を登る(2010年5月5日撮影) (2010年11月30日撮影)
さらに急斜面を登る(2010年11月30日撮影) 公時神社との分岐点(2018年5月5日撮影)
【頂上まであと少し、頑張れ!】
いよいよ金時山へ最後の登りです。岩の多い急斜面が連続するため、あわてず慎重に行動しましょう。展望もぐんぐん広がってきます。
三国山と芦ノ湖を遠望、眼下には仙石原(2024年5月4日撮影)
やがて林の中の急な岩場に入りますが、最近地元のみなさんによって道が整備されました。感謝をこめてひと踏ん張り登れば、金時山頂上はもうすぐです。
金時山の胸壁が迫る(2021年12月30日撮影) 頂上へ最後の登り(2010年6月7日撮影)
【ここまでのコースタイム】
仙石原交差点(標高650m・2分)金時登山口バス停(10分)登山道入口(30分)矢倉沢峠(標高867m・30分)公時神社分岐(20分)金時山頂上(標高1,212m)・・・約1時間35分
【富士山が正面に大きく!!】
金時山頂上からは真正面に富士山が大きくそびえます。箱根最高峰の神山や芦ノ湖、眼下には仙石原が望めるでしょう。どうぞ思う存分パノラマをお楽しみください。
頂上には「金太郎茶屋」と「金時娘の茶屋」があり、軽い食事や飲み物・記念品等の購入ができます。またチップ制トイレ(100円)が整備されています。
神山・大涌谷・台ヶ岳と仙石原の眺め(2022年5月5日撮影)
【第2座目・長尾山へ向かう】
【金時山からは急な下り】
体力と呼吸を整えたら金時山を出発し、長尾山へ向かいましょう。ここからは岩が多く険しい下り、足を踏み外さないよう慎重に行動します。1つピークを登り越えると、再び尾根沿いの下り道。
金時山からは急な岩場の下り(2010年6月7日撮影) ロープのかかる場所も(2019年5月5日撮影)
尾根沿いに下る(2018年5月5日撮影) 登山道にある注意看板(2022年5月5日撮影)
【そして今度は急な登り】
やがて急な下りを終えると、今度は長尾山への急登が始まります。新緑や紅葉を楽しみながら登れば、広い長尾山の頂上へ到着。ぜひ休憩していきましょう。
クサリの付いた岩場を登る(2015年5月11日撮影) 長尾山への急登(2018年5月5日撮影)
長尾山頂上に到着(2024年5月4日撮影)
【ここまでのコースタイム】
金時山頂上(標高1,212m・15分)1つ目のピーク(10分)クサリの岩場(10分)長尾山頂上(標高1,144m)・・・約35分
【第3座目・丸岳へ向かう】
【長尾山から乙女峠へ下る】
休憩したら本日3つ目の山・丸岳へ出発しましょう。まずは転倒しないよう注意しながら、尾根道を乙女峠へ下ります。右側に設置された展望台からは、富士山と御殿場の街が一望できます。
(エスケープの場合…乙女峠ら乙女口バス停を経由し、仙石原まで約60分)
長尾山から丸岳へ向かう(2010年5月3日撮影) 乙女峠に到着(2019年5月5日撮影)
【乙女峠から丸岳を目指す】
乙女峠からは尾根沿いに登ります。このあたりも春は新緑が、秋は紅葉が美しい道。大きな岩の前を過ぎて再び登れば、丸岳頂上はもう間もなくです。
乙女峠から丸岳への道(2019年5月5日撮影) NTT無線中継塔、頂上はすぐ(2010年5月3日撮影)
丸岳頂上に到着(2017年5月2日撮影)
【ここまでのコースタイム】
長尾山頂上(標高1,144m・15分)乙女峠(標高1,005m・20分)大きな岩(15分)丸岳頂上(標高1,156m)・・・約50分
【丸岳からのパノラマも最高】
ここ丸岳からも素晴らしい展望が楽しめます。特に芦ノ湖は、眼下に青く広がっているでしょう。富士山は約2分移動した、NTT無線中継所下から望めます。
丸岳から金時山を振り返る(2023年11月3日撮影) 明神ヶ岳と明星ヶ岳そして仙石原(2022年10月23日撮影)
【長尾峠を経ていよいよ下山】
丸岳からは明るい尾根道を長尾峠へ向かいます。急な階段を注意しながら下り、富士見台を通過後さらに行けば長尾峠。ここからは長尾トンネル前を経由しながら、仙石原へと下って行きましょう。
丸岳から長尾峠へ向かう(2019年5月5日撮影) リュウノウギク(2022年10月23日撮影)
急な階段を下る(2019年5月5日撮影) 富士見台(2019年5月5日撮影)
長尾峠に到着(2010年5月3日撮影) 長尾トンネル仙石原側出入口(2022年7月6日撮影)
【急な下り道を耕牧舎跡へ】
長尾トンネル前からは、林の中の道を下ります。転倒しないよう慎重に歩きましょう。やがて明治時代に牧場だった「耕牧舎跡」に到着します。
標識に従って進む(2022年7月6日撮影) 耕牧舎跡への下り(2010年5月3日撮影)
耕牧舎跡に到着(2018年4月29日撮影)
【ここまでのコースタイム】
丸岳頂上(標高1,156m・15分)富士見台(15分)長尾峠(標高911m・5分)長尾トンネル前(25分)耕牧舎跡・・・約60分
【仙石原へ向けて歩こう!!】
【丸岳の山裾を通りながら…】
休憩を終えたら、仙石原へ向け出発しましょう。ここからは仙石原自然探勝歩道を歩きますが、コースについてはこちらをご覧ください。
耕牧舎跡を出発して5分ほど行くと、道が左右二手に分かれます。
右のサイクリングコースへ進めば仙石原への近道。時間と体力に余裕があれば左の自然探勝歩道へ進みます。先程登ってきた丸岳の山裾を、沿うように続く仙石原自然探勝歩道。
噴煙上げる大涌谷や、独特な形をした冠ヶ岳。火山活動の激しさを物語る仙石原の地形やダルマ石。森の中に現れる温湯(ぬくゆ)の池、ゆるやかに流れる早川・・・。
変化に富んだ景色と自然を楽しみつつ歩きましょう。
林の中の坂を上る(2022年5月3日撮影) 大涌谷と冠ヶ岳の眺め(2018年4月29日撮影)
ダルマ石(2016年4月30日撮影) 温湯の池(2022年5月3日撮影)
早川の流れ(2018年4月29日撮影) ときどき現れるカワセミ(2014年9月19日撮影)
(エスケープの場合…サイクリングコースを行けば、約70分で箱根湿生花園北側の交差点に到着)
【3つの山と共にフィナーレ】
早川沿いに続く道を抜け、やがて仙石原浄水センターの前を通り、湿原通りへ出ればコースも終盤。
金時山・長尾山・丸岳の3山が、目の前に大きく連なります。「この3つの山を登ってきたのか・・・」と、達成感が湧いてくるでしょう。
時間に余裕があれば、箱根湿生花園を見学して行きましょう。箱根湿生花園から湿原通りを約10分歩けば、仙石案内所前バス停はすぐそこです。
湿原通りから丸岳を振り返る(2017年5月27日撮影)
【ここまでのコースタイム】
耕牧舎跡(60分)温湯(30分)湿原通り(10分)箱根湿生花園(標高650m)・・・約100分
【仙石原から見える3つの山へ】
金時山・長尾山・丸岳・・・仙石原から一望できるこの三山には、それぞれに特徴があります。
険しく切り立った金時山、森林の深い長尾山、大らかな丸岳。そして矢倉沢峠・乙女峠・長尾峠と、3つの峠が連絡することもまた大きな特徴でしょう。
最後にもう一度、仙石原の空をごらんください。金時山・長尾山・丸岳・・・この3つの山こそ仙石原のシンボルです。
芦ノ湖から望む丸岳・長尾山・金時山(2010年1月2日撮影)
【3座登山道の基本情報】
●区間…仙石原交差点~矢倉沢峠~金時山~長尾山~乙女峠~丸岳~長尾峠~耕牧舎跡~箱根湿生花園
●全長…約13.0km
●標高…650m~867m~1,212m~1,144m~1,005m~1,156m~911m~650m
●所要時間…約5時間30分
仙石原交差点(42分)矢倉沢峠(50分)金時山(20分)長尾山(10分)乙女峠(35分)丸岳(30分)長尾峠(30分)耕牧舎跡(100分)箱根湿生花園
●富士箱根伊豆国立公園
●神奈川県足柄下郡箱根町